コラム 2026.08.14 by 呑海 賢次

夏の閑散期こそ、経営を考える時間に

記事イメージ:夏の閑散期こそ、経営を考える時間に

お盆の前後は、多くの会社で少し空気が緩みます。取引先も休みに入り、電話も減る。この数日を、どう使っていますか。

私は、この時期こそ経営を考えるのに最適だと思っています。理由は単純で、日常の割り込みが少ないからです。今日は、この時期に取り組んでおくと効果の高いテーマをご紹介します。

経営を考える時間は、意識して確保しなければ永遠に取れません。忙しさが緩む時期は、年に何度もない貴重な機会です。

① 上半期の数字を、落ち着いて眺める

まずは、4月から7月までの数字を並べてみてください。3月決算の会社なら、ちょうど上半期の折り返し地点です。

  • 売上は、計画に対してどうか
  • 粗利率は、前年同期と比べてどう動いたか
  • 人件費や経費は、想定の範囲に収まっているか
  • 手元資金は、増えているか減っているか

ここで大事なのは、良い悪いを判定することではなく、なぜそうなったかを言葉にすることです。「粗利率が2ポイント下がったのは、あの案件の追加工事を無償で受けたから」──こう言語化できれば、下半期の打ち手が決まります。

② 「今期中に必ずやる」を3つに絞る

期初に立てた計画を、もう一度開いてみてください。おそらく、やりたかったことの何割かは手つかずのはずです。

ここで全部やろうとせず、残り半期で本当にやり切るものを3つ選ぶ。そして、残りは来期に送るか、やめると決めます。

この「捨てる決断」を、年の途中で一度することが、実行力の差になります。手をつけないまま抱え続けている項目は、心理的な負債になっていきます。

③ 人の配置を、白紙から考えてみる

普段はなかなかできない思考実験です。「もし今、ゼロから組織を作るとしたら、誰をどこに置くか」。

現状の延長で考えると、どうしても変えられない理由が先に立ちます。白紙から考えることで、本当は変えたほうがいい配置が見えてきます。

すぐに実行する必要はありません。来期の異動や、採用計画の材料として持っておくだけでも意味があります。

④ 現場を、客の目で歩いてみる

お客様が来ない時期だからこそ、できることがあります。自社の店舗や工場、事務所を、初めて訪れた人の目で歩いてみるのです。

  • 入口から受付までの導線は、分かりやすいか
  • 掲示物は、最新のものになっているか
  • 整理整頓は、来客に見せられる状態か
  • 自社のホームページを、スマホで見てみるとどうか

最後の項目は、ぜひやってみてください。多くの会社で、何かしら気づくことがあります。

⑤ 経営者自身の、来年を考える

最後は、会社ではなく経営者ご自身のことです。

  • 来年、自分は何に時間を使いたいか
  • 手放したい仕事は何か。誰に渡せるか
  • 健康面で、先送りにしていることはないか

3つ目は冗談ではありません。中小企業では、経営者の健康が最大の経営リスクです。健診の予約も、経営判断のひとつだと考えてください。

紙とペンで、1時間

これらを考えるのに、パソコンは要りません。紙とペンで、1時間。できれば会社ではなく、外の静かな場所で。

環境を変えるだけで、出てくる発想が変わります。私自身、行き詰まったときは場所を変えることにしています。

おわりに

下半期は、あっという間に過ぎていきます。走り出す前に、方向を確認する時間を取る。この数日の使い方が、年度末の景色を変えます。

考えを整理する相手が必要でしたら、お気軽にお声かけください。

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