夏の閑散期こそ、経営を考える時間に
お盆の前後は、多くの会社で少し空気が緩みます。取引先も休みに入り、電話も減る。この数日を、どう使っていますか。
私は、この時期こそ経営を考えるのに最適だと思っています。理由は単純で、日常の割り込みが少ないからです。今日は、この時期に取り組んでおくと効果の高いテーマをご紹介します。
経営を考える時間は、意識して確保しなければ永遠に取れません。忙しさが緩む時期は、年に何度もない貴重な機会です。
① 上半期の数字を、落ち着いて眺める
まずは、4月から7月までの数字を並べてみてください。3月決算の会社なら、ちょうど上半期の折り返し地点です。
- 売上は、計画に対してどうか
- 粗利率は、前年同期と比べてどう動いたか
- 人件費や経費は、想定の範囲に収まっているか
- 手元資金は、増えているか減っているか
ここで大事なのは、良い悪いを判定することではなく、なぜそうなったかを言葉にすることです。「粗利率が2ポイント下がったのは、あの案件の追加工事を無償で受けたから」──こう言語化できれば、下半期の打ち手が決まります。
② 「今期中に必ずやる」を3つに絞る
期初に立てた計画を、もう一度開いてみてください。おそらく、やりたかったことの何割かは手つかずのはずです。
ここで全部やろうとせず、残り半期で本当にやり切るものを3つ選ぶ。そして、残りは来期に送るか、やめると決めます。
この「捨てる決断」を、年の途中で一度することが、実行力の差になります。手をつけないまま抱え続けている項目は、心理的な負債になっていきます。
③ 人の配置を、白紙から考えてみる
普段はなかなかできない思考実験です。「もし今、ゼロから組織を作るとしたら、誰をどこに置くか」。
現状の延長で考えると、どうしても変えられない理由が先に立ちます。白紙から考えることで、本当は変えたほうがいい配置が見えてきます。
すぐに実行する必要はありません。来期の異動や、採用計画の材料として持っておくだけでも意味があります。
④ 現場を、客の目で歩いてみる
お客様が来ない時期だからこそ、できることがあります。自社の店舗や工場、事務所を、初めて訪れた人の目で歩いてみるのです。
- 入口から受付までの導線は、分かりやすいか
- 掲示物は、最新のものになっているか
- 整理整頓は、来客に見せられる状態か
- 自社のホームページを、スマホで見てみるとどうか
最後の項目は、ぜひやってみてください。多くの会社で、何かしら気づくことがあります。
⑤ 経営者自身の、来年を考える
最後は、会社ではなく経営者ご自身のことです。
- 来年、自分は何に時間を使いたいか
- 手放したい仕事は何か。誰に渡せるか
- 健康面で、先送りにしていることはないか
3つ目は冗談ではありません。中小企業では、経営者の健康が最大の経営リスクです。健診の予約も、経営判断のひとつだと考えてください。
紙とペンで、1時間
これらを考えるのに、パソコンは要りません。紙とペンで、1時間。できれば会社ではなく、外の静かな場所で。
環境を変えるだけで、出てくる発想が変わります。私自身、行き詰まったときは場所を変えることにしています。
おわりに
下半期は、あっという間に過ぎていきます。走り出す前に、方向を確認する時間を取る。この数日の使い方が、年度末の景色を変えます。
考えを整理する相手が必要でしたら、お気軽にお声かけください。