小規模事業者持続化補助金、採択されやすい書き方のコツ
小規模事業者持続化補助金は、比較的申請しやすい制度として知られています。ただ、「書きやすい」ことと「採択されやすい」ことは別です。同じ取り組み内容でも、書き方ひとつで評価が変わります。
今日は、審査する側の目線に立って、伝わる書き方のコツを整理します。なお、様式や要件は公募回ごとに見直されますので、実際の申請にあたっては必ず最新の公募要領をご確認ください。
審査員は、あなたの会社をまったく知りません。しかも数十件をまとめて読みます。この2つの前提に立つと、書くべきことは自然に決まってきます。
コツ① 冒頭3行で「何屋さんか」を伝える
意外と多いのが、経営計画の冒頭が創業経緯や理念から始まっているケースです。読み手はまだ、あなたの会社が何をしている会社か知りません。
最初の3行には、次の要素を入れてください。
- どのエリアの、誰に、何を提供しているか
- 売上規模と従業員数(おおよそで可)
- 主力商品・サービスの構成比
「市内の個人客向けにリフォーム施工を行う従業員3名の工務店。年商は数千万円規模で、うち8割がリフォーム」──この一文があるだけで、後に続く記述の解像度が一段上がります。
コツ② 課題と取り組みを、1対1で結ぶ
評価が伸びにくいのは、課題の記述と取り組み内容がつながっていない申請書です。課題として「新規顧客の減少」を挙げているのに、取り組みが「厨房機器の更新」になっている、というような食い違いです。
チェック方法は簡単で、課題と取り組みを2列の表に並べてみることです。線が引けない項目があれば、そこが弱点です。
コツ③ 数字は「現在→目標」の形で書く
「売上向上を目指す」ではなく、「新規客の来店を月20組から月30組に」と書きます。大切なのは金額の大きさではなく、根拠が示せる数字であることです。
算出根拠も一行添えてください。「チラシ配布5,000枚×反応率0.4%=20組」といった具合です。控えめでも根拠のある数字のほうが、大きくても根拠のない数字より高く評価されます。
コツ④ 補助事業終了後の姿まで書く
補助金は、単発の支出を助けるための制度ではありません。審査員が見たいのは、その投資が終わったあとに何が残るかです。
- 導入した設備を、今後どう使い続けるか
- 作成したホームページを、誰が更新していくか
- 新しく獲得した顧客を、どう固定客にしていくか
ここが書けている申請書は、それだけで信頼感が違います。
評価を下げやすいポイント
- 専門用語や社内用語が説明なしで登場する
- 図表がなく、文字だけがびっしり詰まっている
- 経営計画と補助事業計画で、数字の前提が食い違っている
- 商工会・商工会議所への相談が締切間際になり、必要書類の準備が間に合わない
最後の項目は特に注意が必要です。様式の準備には日数がかかります。余裕をもって窓口にご相談ください。
おわりに
申請書は、審査のためだけの書類ではありません。書く過程で、自社の課題と打ち手が整理されます。採択されればもちろん良いですが、書き上げた時点ですでに得るものがある。そう考えて取り組むと、内容も自然と良くなります。
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