「うちの強み」が言語化できない会社のための3つの質問
「御社の強みは何ですか」とお聞きすると、多くの経営者が少し困った顔をされます。「特にないんですよね」「他社と同じようなことをやっているだけで」──こうした答えが返ってくることも珍しくありません。
ですが、私の経験上、強みがない会社というのはほとんど存在しません。あるのは、強みが言語化されていない会社です。今日は、強みを掘り起こすための3つの質問をご紹介します。
強みは、自分たちにとって当たり前になっているから見えないのです。強みを探すときは、内側ではなく、顧客の側から眺めてみてください。
質問① 「お客様は、なぜ他社ではなくうちを選んだのですか?」
最初の質問は、事実から入ります。ここで大事なのは、推測ではなく、実際に聞いた話を集めることです。
直近で受注した案件を10件ほど並べて、一件ずつ「なぜうちだったのか」を書き出してみてください。営業担当が覚えていない場合は、思い切って顧客に聞いてみるのも手です。
よく出てくる答えは、案外地味です。「電話するとすぐ出てくれるから」「無理を言っても断られないから」「担当者が長く変わらないから」。こうした答えの中に、強みの原型が隠れています。
質問② 「他社なら断る仕事を、うちが受けられるのはなぜ?」
2つ目は、境界線を探る質問です。同業他社が敬遠する条件を受けられるとしたら、そこには必ず理由があります。
- 小ロットの注文に対応できる → 段取り替えの速さ、多能工の存在
- 短納期に応えられる → 在庫の持ち方、外注先との関係
- 難しい仕様に対応できる → 特定の技術、長年の蓄積
ここで見つかった理由は、模倣されにくい強みであることが多いのが特徴です。設備や価格と違い、関係性や蓄積は一朝一夕には作れないからです。
質問③ 「うちの社員が、他社に行っても通用することは?」
3つ目は、視点を変える質問です。自社の社員が持っている能力のうち、他社では珍しいものは何か。
この質問をすると、経営者は「そんなの当たり前でしょう」と言いたくなる項目を挙げます。その「当たり前」こそが答えです。図面が読めること、現場と設計の両方が分かること、顧客の業界事情に詳しいこと。他社では当たり前ではありません。
3つの答えを重ねてみる
3つの質問への答えが出そろったら、重なる部分を探してください。
たとえば、「すぐ対応してくれる」(質問①)、「短納期に応えられる」(質問②)、「現場が自分で判断できる」(質問③)が並んだとします。ここから見えてくる強みは、「現場に判断権限があるため、意思決定が速い」という構造です。
この形まで言語化できると、営業トークにも、採用にも、値決めにも使えるようになります。
言語化のあとにやること
- ホームページや会社案内の文章を、その言葉に合わせて書き直す
- 営業の初回訪問で、必ずその話をする
- その強みを支えている仕組みに、優先的に投資する
3つ目が特に大事です。強みが「たまたま特定の社員に依存している」状態なら、それを仕組みに変える投資が必要になります。
おわりに
強みの言語化は、経営者一人でやるより、社員や外部の人間を交えたほうが早く進みます。当たり前を当たり前と思わない目が要るからです。
その役割でよろしければ、ご一緒します。